前回http://cutshow.diarynote.jp/201703271904009796/に引き続きモダン白黒トークンの話をしていきます。
今回はデッキの特徴を。

言うまでもなくこのデッキ最大の特徴は「トークンと並べる」です。相手の除去を腐らせ、チャンプブロックと返しのアタックですれ違いダメージレースを行うのがトークンです。
用いられるのは主に飛行を持つトークン達。それを生成する《苦花/Bitterblossom》《未練ある魂/Lingering Souls》《幽体の行列/Spectral Procession》らがこのデッキの主軸でありフィニッシャーです。苦花は触れられづらいエンチャントから際限なくフェアリーが湧きだす。未練ある魂はあらゆる形でのアドバンテージを補う。幽体の行列は瞬間的に多くのスピリットを生成する。それぞれに特徴があります。行列は5~8枚目の未練じゃないよ。

さてそのトークン達ですが個々のサイズは貧弱で生成速度も決して早くはありません。どころか実はかなり数に限りがあります。そこで彼彼女らをバックアップするのが「細かいハンデスと除去」「全体強化」「プレインズウォーカー」です。
計6枚を超える《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》《思考囲い/Thoughtseize》《集団的蛮行/Collective Brutality》らハンデス群で序盤の脅威を取り除きます。特にこのデッキは3~4マナのもっさりしたソーサリーアクションが主となるので、ハンデスによるテンポ獲得と打ち消しの排除は非常に重要です。
除去は白定番の《流刑への道/Path to Exile》に《致命的な一押し/Fatal Push》を追加。ブロックだけでは抑えきれない生物に対処します。
全体強化にはトークンをトークンデッキたらしめる《無形の美徳/Intangible Virtue》。警戒付与でダメージレースの主導権を握ります。また強化と除去を兼ねる《盲信的迫害/Zealous Persecution》は相手の小型生物を一掃します。
最後に全体強化、トークン生成を兼ねる《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》らPW達。スタンでの活躍も記憶に新しい彼らはこのデッキではさらに輝いてくれます。
ハンデスや除去による1:1交換が得意なところはジャンクにも通じるところがありますが、トークンは逆に相手に1:1交換を取らせづらい面を併せ持つのが最大の長所です。

マナ基盤は2色にしてはやや厳しめ。というのも幽体の行列を唱えるために3ターン目には極力白3マナを用意しなければならないからです。後述しますが序盤のハンデス苦花のためにフェッチからショックランドを立てなければなりません。《悪臭の荒野/Fetid Heath》の採用もこのデッキの特徴です。

以上から、除去を主体としたコントロール、フレンチバニラ主体のビートダウン、それらを併せ持つジャンドやジャンクにはかなり強いです。無数の飛行クロックを持つため親和などにも非常に有利です。

弱点は全体除去、継続的な除去、トランプル等のブロックしづらい生物、打ち消し等によるテンポ奪取。
1,2度の全体除去程度なら展開しすぎないプレイングで耐えられますが、イゼットの静電術師や最後の望み、リリアナによる継続除去には個別で対処しなけwればなりません。全体除去には仕組まれた爆薬や漸増爆弾、魂の裏切りの夜といった、使い手への被害を抑えつつおおよそトークンだけを狙い撃つ卑劣なものが存在します。
生物のサイズが貧弱なためトランプルを持つ生物に弱いのも問題です。必ず除去しましょう。
またデッキ構造的にクロックが遅いため、トロンやヴァラクート等の土地コンボにどうしても追いつけません。直接的にカードアドバンテージを取れないこともわずかながら確実な弱点の一つです。

このデッキの基本的なプレイング進行は
1ターン目:ハンデス
2ターン目:苦花または無形の美徳
3ターン目:未練ある魂等のトークンスペル
4ターン目:プレインズウォーカー
となります。モダンでは珍しく1~4マナのマナカーブを意識したデッキとなっています。ここからメインボードのキープ基準は、3ターン目までのアクションのうちどれか二つが可能なものとなります。
トークンはどうやったって速度の出ないデッキなので、無理に展開を急がずにじっくりとしたプレイングを心掛けるといいと思います。

次回は細かい採用カード解説。ほぼサイドボードの話になります。ではでは

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